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菌とウイルスの違いと病原性 第二章~菌の病原性~2019.11.22

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・第一章 菌とウイルスの違い
・第二章 菌の病原性
・第三章 ウイルスの病原性

ウイルスが感染するとどうなるの?

菌が体にいることですべて病気になるわけでもありません。例えば、口の中、皮膚、腸内の菌は、常在菌といって人間にとって有益だったり無害であったりします。

しかしある種の菌は、人間にとって有害な物質をつくり体にダメージを与えることがあります。

黄色ブドウ球菌

たとえば黄色ブドウ球菌という菌は、毒素(エンテロトキシン)をつくってこれを食品と共に食べてしまうことで食中毒を起こすことがあります。

ミュータンス菌

また虫歯は、虫歯の原因菌(ミュータンス菌等)が歯垢の中で酸を出すことによって、歯のカルシウム等が溶け出し、歯を溶かしてしまいます。

白癬菌

また水虫の場合は、水虫の原因菌(白癬菌)が角質を食べ生産した物質により炎症が生じ、かゆみや皮むけが起こるようになります。

つまり、菌が繁殖するときに生産されるなんらかの物質により、細胞にダメージを受け、病気になっていることがわかります。

身体の免疫反応

これに対して、体はさまざまな免疫の仕組みにより菌を駆除していきます。 しかし、菌側も免疫から逃れる物質や、免疫細胞を攻撃する物質を出したり、あるいはバイオフィルム(ヌメリの物質)をつくり閉じ籠ることで対抗していきます。そして菌の増殖のスピードが勝っている場合に、実際に症状があらわれてきます。

私たちの体は常に菌の繁殖に対して、免疫で対抗しながら健康を維持しています。普段から食事、睡眠、運動のバランスを意識して、免疫を健全な状態に保ち、病気になりにくい生活をしたいですね。

第三章は~~~~~~~~
お楽しみに!

菌とウイルスの違いと病原性 第三章~ウイルスの病原性~2019.11.22

前回の菌の話から、今回はウイルスの話をしたいと思います。ウイルスは菌と違って他の生物の細胞に寄生して増殖するので異なるライフサイクルがあります。また菌と同様にヒトに病原性を発現するウイルスも限られた一部のウイルスになります。

・第一章 菌とウイルスの違い
・第二章 菌の病原性
・第三章 ウイルスの病原性

標的となる細胞

ウイルスは他の生物の細胞に寄生して増殖すること(参照:第一章)を前に説明しましたが、ウイルスは種類によってそれぞれ標的となる細胞があります。そしてその細胞を持つ動物の生活環境の中でライフサイクルを送ります。例えば、新型コロナウイルスは人の肺の細胞に感染し、人の生活環境で存在し続けています。自然界では、ネコにはネココロナウイルスというものがあり、ブタにはブタコロナウイルスがいて、複数の生物にまたがることもありますが、その動物の生活環境で感染と増殖を繰り返しています。  また感染する細胞が異なる例で言えば、肝炎ウイルス(A、B、C、D、E型)は肝臓、食中毒の原因となるノロウイルスであれば小腸、おたふくかぜ(ムンプスウイルス)は唾液腺(※全身に感染することもある)と、それぞれの細胞に感染します。

細胞への感染と増殖

では次にウイルスが感染してから増殖するまでの過程を見ていきましょう。ここでウイルスの増殖の話に入る前に、細胞の中の構造を簡単に説明します。細胞には核と呼ばれる遺伝子を格納している器官があり、その周りには、細胞の素材となるタンパク質をつくる部分、エネルギーを作り出す部分、不要なものを排出する部分、等があります。細胞の各部分は連携しながら活動し、分裂して増殖をします。特に主要な活動として、タンパク質をつくることがありますが、その順序を説明します。

  • 設計図となる遺伝子(DNA)から、情報をコピーし、核の外へ運び出す。
  • 遺伝子の情報をもとに、タンパク質を合成する。
  • タンパク質が細胞内の各器官又は細胞外に送り届けられる。
図1 細胞内でタンパク質をつくる様子

ウイルスはこの細胞の活動を利用して増殖を行います。ウイルスは標的となる細胞に取り付くと細胞内に侵入し、自らの遺伝子を細胞内に注入します。その後は、以下の順序で増殖を行います。

  • 注入されたウイルスの遺伝子(DNAもしくはRNA)から、寄生した細胞の遺伝子(DNA)の書き換えが行われる。もしくはウイルスの遺伝子がそのままコピーされる。
  • 書き換えられた遺伝子、もしくはウイルスの遺伝子の情報をもとにウイルスを構成するタンパク質が合成される。
  • ウイルスを構成するタンパク質やコピーされたウイルスの遺伝子が組み合わせられる。
  • 細胞外にウイルスが放出される。
図2 ウイルスが細胞内で増殖する様子

ウイルスは、感染しては上記の過程を繰り返し、数を増やしていきます。その過程で一部のウイルスは細胞を破壊したり活動を失わせたり、あるいは変化させてしまうことで病気の症状が出てきます。そして感染している生物が、他の生物と接触したときに、その個体を飛び越えて感染を拡げていきます。感染の抑制のために、感染症になった人に対して人との接触をさけるように注意が促されるのはこのためです。菌の増殖のスピードが勝っている場合に、実際に症状があらわれてきます。

 ウイルスは他の動物の細胞の仕組みを利用して増殖をします。その過程で一部のウイルスでは細胞が破壊されたり活動が失われたり、あるいは変化してしまうことで病気になってしまいます。また生物の生活環境の中の生物同士の接触で感染が拡がっていきます。

最後に(筆者の一言)

 第3回にわたり菌とウイルスについてお話しをしましたがいかがだったでしょうか。私は菌やウイルスについて、それまでのイメージとの違いを感じて、予防に対する意識の向上や生物の進化の不思議さを感じるようになりました。本内容は専門的に学べばとても難しいものですが、概要がわかることで詳細な文献も理解できると思い作成しました。もし興味がある方は、他のサイトも併せてご確認ください。

菌とウイルスの違いと病原性 第一章~菌とウイルスの違い~2019.11.21

寒くなり、風邪を引きやすい季節になってきましたね。
喉の痛みや鼻水、発熱に倦怠感など、様々なつらい症状が現れます。

しかしその症状を引き起こす「原因」は分からないまま回復してしまうことが多いはず。ほとんどの場合は「菌」か「ウイルス」に感染してしまい症状が現れるのですが、その2つの違いはご存知ですか?

今回から三章にわたり、「菌とウイルスの違いと病原性」について解説していきます。

  • ・第一章 菌とウイルスの違い
  • ・第二章 菌の病原性
  • ・第三章 ウイルスの病原性

今回のテーマは「菌とウイルスの違い」です。

菌とウイルスは同じ仲間?

「菌」も「ウイルス」も、どちらも感染症を引き起こす微生物で、ヒトの目には見えません。
似たようなイメージはありますが、生物としては大きく異なります。

一番の大きな違いは、増え方の違いです。

菌は、水分、温度、栄養(蛋白質汚れなど)が揃った快適な場所で放っておくと勝手に増えてしまいますが、ウイルスは他の生物の細胞内に入り込まなければ増えることはできません。

生物としての特徴

菌とウイルスの生物としての特徴を詳しく見てみましょう。

菌とは

特徴

菌は一つの細胞でできており、分裂をしながら数を増やしていくことができます。鞭毛を使って自由に動くものもいます。

病気になるメカニズム

菌が増え続けることで人体の防御機構に打ち勝ってしまうため病気になります。また、人体に有害な毒素や酵素といった物質を生成しその作用により組織内での感染の拡大を速めます。

治療法

細菌の感染症治療には「抗菌薬(抗生剤、抗生物質)」が有効です。抗菌薬は細菌の細胞構造を壊したり、増殖する仕組みを妨害したりすることで効果を発揮します。

ウイルスとは

特徴

ウイルスは細胞を持っておらず、自分だけでは増えることはできません。その代わりに他の生き物の細胞に潜り込み、機能を乗っ取って増殖(自分をコピー)します。

病気になるメカニズム

細胞の破壊、変質、失活により身体の機能がうまく働かなくなり、病気になります。HIVのように免疫機能そのものに影響が出るものもあります。

治療法

菌とは大きさや仕組みが異なるため「抗菌薬」が効きません。インフルエンザに効く「タミフル」などの「抗ウイルス薬」もありますが、開発が難しくまだ少数しかありません。

ウイルスは脂質性の膜(エンベロープ)を持っているかどうかの違いで、大きくノンエンベロープウイルスとエンベロープウイルスに分けることが出来ます。

ウイルスによってアルコールが効く/効かないの差があるのは、この仕組みの違いによるためです。
第三章で詳しくご紹介します。

菌とウイルスの共通点と違い

生物としての特徴を見ると、それぞれのメカニズムやライフサイクルが全く違うことがわかりますね。

続いて、両者の共通点と違いを比較してみましょう!

大きさ

大きさ

どちらもヒトの目には見えないほど小さなものですが、両者の大きさはかなり違います。
ウイルスを人間ほどの大きさとすると、細菌は大型ショッピングモールやタワーマンションくらいの大きさになります。

菌:1µm~10µm
ウイルス:0.02µm~0.1µm

形態

形態

菌は細胞壁、細胞膜、細胞質、核など細胞構造を有しており、我々ヒトと同じようにひとつの「細胞」でできています。

それに対しウイルスは遺伝情報である核酸(DNA又はRNA)を蛋白質で出来た殻に包んだ構造をしています。一部のウイルスはさらに脂質でできた膜(エンベロープ)で包んだ作りになっています。

菌:1つの細胞からなる
ウイルス:核酸(DNAやRNA)を蛋白質等の膜で覆っている

増え方

増え方

細菌は「水分」「温度」「栄養(蛋白質汚れなど)」が揃った環境があれば自分だけで増えていくことができます。

一方、ウイルスは自分だけでは増えることができません。他の生き物の細胞に潜り込み、機能を乗っ取らなければ増殖(自分をコピー)することができないのです。

菌:細胞分裂
ウイルス:細胞に感染して自分をコピー

病原性

病原性

病原性とは、菌やウイルスなどの病原体が、他の生物に感染して宿主に感染症を起こす性質・能力のことです。それぞれの増え方の違いが病原性の違いとなって現れます。

菌:毒素の生産
ウイルス:細胞の破壊、変質、失活

主な病気

主な病気

いわゆる風邪の原因は、ウイルスが90%、残りの10%が細菌によるものです。

初期症状は似たような症状が現れることがあり、病院などで検査しないと病原体を特定できないことがあります。

菌:食中毒、水虫
ウイルス:風邪、食中毒、肝炎、HIV

 ウイルス
大きさ1µm~10µm0.02µm~0.1µm
形態1つの細胞からなる核酸(DNAやRNA)を蛋白質等の膜で覆っている
増殖細胞分裂細胞に感染して複製
病原性毒素の生産標的の細胞の破壊、変質、失活
主な病気食中毒、水虫風邪、食中毒、肝炎、HIV

まとめ

似たようで全く違う、菌とウイルスの特徴がおわかりいただけたでしょうか?

両者の共通点は、生物の設計図となる遺伝子(DNRやRNA)を持っていることと、マスクや手洗いである程度、感染を防げることです。

第二章では「菌の病原性」について詳しく解説します。
食中毒や水虫など、我々ヒトにとって非常に身近な存在です。

お楽しみに!